久しぶりの更新です。新年あけましておめでとうございます。
初日の出は日本人の心を象徴する様な縁起物。2008年は人生のターニングポイントとなるであろう年なので「とりあえず初日の出行っちゃいますか」と、「元旦★初日の出計画」を立てていた訳です。
で、どこで見ようかという話ですが、最初の候補は日本で最も早い時間に初日の出を拝める富士山山頂。富士山と初日の出は切っても切り話せない程の関係で、富士と日の出を描いた銭湯の壁画なんかはイメージも容易いですよね。しかし富士山危ないんです。去年、私と同じ知能レベルの若者が軽いノリで元旦の富士山を登山。それもスニーカーで登っちゃったっていうから私をも凌駕する馬鹿であることは間違いなし。しかしアイスバンで身動きが取れなくなってしまったらしいんです。結局、ヘリコプターでレスキュー出動。100万近くの税金が一夜で吹っ飛んだとのことです。
このことが原因で今年は軽いノリの登山者は引き返させることにしたらしいです。登山には最低でもアイゼンにピッケル(って何?)、そして富士宮市への登山許可証の提出が事実上義務づけられるらしいです。登山など中学生の夏場の苗場山ハイキング経験しかなかったもので、登山グッズなんて当然の如く持っていない私は当然の如くこの計画を諦めた訳です。
で、次に目をつけたのがダイアモンド富士という縁起物。これは富士山を西側から見ると東から上がる太陽が富士山山頂に重なり、初日の出の瞬間にピカーッンとダイアモンド状に光が差すというものでした。で、その絶景を最も良い条件で拝めるのが竜ヶ岳という富士山の西部に位置する山。標高も富士山の半分程しか無いので「この程度なら登れるだろう」と計画を再び練り始めた訳です。しかし「甘く見てはいけない」と天から声が聞こえたのです。だって1500m程でも普段は海抜数百mに暮らす私にとっては十分高いではないか。縁起物を見たいが余り山を登ってその結果が遭難だったら元も子もない。「山はやめよう」と決めたのです。
しかし、私は諦めません。海に上がる初日の出。うーん縁起がいい!これなら安全地帯から拝むことが出来るではないか!!そうして私は熱海港初日の出プロジェクトを発足したのです。
その日の東海道線の終電に乗り熱海へ上陸。辺りにある神社をハシゴしながらよるを楽しみます。5件近くハシゴしたと思います。そうして時間を過ごしていよいよ時刻は6時過ぎ。徐々に明るく空の向こう側が染まり始めてきたので、急いで海岸へと向かった訳です。
初日の出・・・が目的だったはずなのに、私が最も心を奪われたのは日のまだ上がらない夜空のグラデーションでした。こんなに美しいものが地球には存在するのかと寒さも忘れて見とれていました。まさに額縁に収めたい絶景。私は無心にデジカメのシャッターを切りました。電池切れを示す赤いランプなんてお構い無し。この景色を持ち帰りたいという一心でした。
これがその風景。画像は当然無編集です。
そんな寒空の中に響き渡るビープ音。
「ピーっ。ピーっ。」
「ああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
しまった!私は何故デジカメを持ってきた。そうだ初日の出を撮影するためだ。何をやっているんだ。本末転倒じゃないか!神社でピンナップ撮影会なんてやっていたことを、このとき強く後悔した。
しかしそこで諦める私じゃない。私はリモコンの電池が切れたとき、2本の単三電池の電極を逆にして重ねた掌の中で電池を擦り続けると電池が復活すると言う迷信を思い出していた。私はこの原理を応用して電池を擦ってみた。かじかんだ手で擦り切れる程に擦った。「切れた電池は冷蔵庫に入れれば復活するんだ」とかまた別の迷信も知っていたが、私はリモコン理論を信じ、摩擦を加えた。
そろそろ本格的に明るくなってきたなと思った次の瞬間。神々しい光が私の網膜へと差し込んできました。裏日本に育った私にとってこれが始めて見る初日の出。美しい。心が洗われました。時を忘れ、目が少しチカチカすることも忘れ、私は熱海港の初日の出に夢中しなっていました。
2、3分は経過しただろうか。すっかり太陽は頭を海の上に浮かべていました。「よし、このタイミングだ」と私は電池をデジカメへと挿入。起動。無事起動。しかも何故かバリ3(電池的な意味で)。運は私の味方です。
そのときに撮影したのがこの写真です。いいでしょ。
そんな具合に私の強運年は幕を開けたのでした。
つづく